・ 本アプリケーションは、対象者の家族関係や人間関係を可視化し、成長の背景や生活環境を一目で把握することで、心理的理解を支援するツールです。
・ ジェノグラム（Genogram）およびエコマップ（Ecomap）の構造を基盤とし、個人が属する関係ネットワークを視覚的に構成することで、関係のパターンや感情的な距離、相互作用の方向を直感的に探ることができます。

■ 使い方
□ ギャラリー画面とキャンバスの生成
アプリを起動するとギャラリー画面が表示されます。そこで、右上の「＋」ボタンを押して新規キャンバスを生成できます。キャンバスの生成は、空のキャンバスか「核家族」「大家族」のテンプレートから選択して作成できます。
1）ギャラリー画面でキャンバス名の部分を押すと名称を変更できます。
2）右上の「選択」ボタンでキャンバスの「選択」「複製」「削除」ができます。
3）左上のタイトル（GenEco）を押すと「About App」「How To Use」ページが表示できます。

□ シンボルの生成と編集
キャンバス画面の左パネルを通してシンボルを追加・編集できます。
1）追加パネル：パネル上のアイコンを押して「男性」「女性」などの人物シンボルと「ペット」「施設」「テキスト」などをキャンバスに追加できます。
2）編集パネル：キャンバス上でシンボルを押すと自動で編集パネルに切り替わります。編集パネルでは、シンボル属性を入力できます。
・ 名前：入力したテキストがシンボルの下に表示されます
・ 年齢：入力した数字がシンボルの中央に表示されます。
・ 性別：性別を変更するとそれに合わせてシンボルの形が変わります。
・ アイデンティティ：該当する場合に選択できます。選択によりシンボルの形が変わります。「その他」を選ぶと追加入力欄が表示され、詳細を記録できます
・ 本人チェック：対象者に「本人」を付与すると二重図形で表示されます
・ 状態：「生存」「死亡」「死産」「流産」から選択できます。「生存」が基本形となっており、状態を変えるとシンボルにXの表記で状態を表現します。

□ キャンバスの移動、拡大、縮小
2本指のドラッグで画面を移動できます。2本指のピンチ操作で画面を拡大・縮小できます。

□ ミニインスペクター
シンボルを長押しするとミニインスペクターが表示されます。ミニインスペクターでは、簡単な属性編集や関係の追加ができます。

□ ツールバー
1）Move：シンボルをドラッグして移動させるツールです。
2）Connect：シンボルから別のシンボルへドラッグして線でつなぐツールです。下のインスペクターから「ジェノグラム」「エコマップ」を選び、選択に応じて線の属性が変わります。
・ 「ジェノグラム」：家族関係を表現するために使うConnectツールです
・ 「エコマップ」：個々の関係（心理や環境）を表現するために使うConnectツールです。
3）範囲選択：多数のシンボルを同時に選択・移動する際に使用するツールです。下のインスペクターから「囲みモード」「フリーフォーム」を選択して使用できます。
4）Delete：選択したシンボルや線を削除できます。
5）Brush：自由に線を描けるツールです。下のインスペクターから色やブラシサイズを変更できます。
6）Eraser：ブラシが選択されると「Delete」と置き換わってツールバーに表示されます。ドラッグした部分의 브러시描画を消去できます。
7）Undo/Redo：作業中に元に戻したり、やり直したりできます。

□ 関係の表現
線を選択して属性を編集することで関係を表現できます。線の種類は「夫婦」「親子」「個々」の3つがあり、その属性によって線の特徴と編集パネルに表示される項目が変わります。
・「夫婦」：編集パネルに「夫婦関係」「エコマップ」が表示され、変更に応じて線の形や色が変わります。
・「親子」：親子線の場合は、シンボルから線がつながるのではなく、夫婦線から派生する線（水平・垂直線の組み合わせ）で親子関係を表現します。※親子関係で感情を表現するには、Connectツールの「ジェノグラム」でつないだ上で、「エコマップ」で直線をつないで表現できます。
・「個々」：「エコマップ」が表示され、個々の関係を表現できます。

■ 得られる有効性
本機能により関係の全体像を一度に共有できるため、関係者間の認識のずれが減り、課題の焦点と優先順位を素早く揃えられます。繰り返し起こる出来事や感情の偏り、断絶や過剰な依存といったリスク兆候を早期に把握し、最小の介入で最大の効果を狙う計画立案が可能になります。編集履歴とバージョン比較により「なぜこの判断に至ったのか」を説明でき、ケースの経過や介入前後の変化を明確に追跡できます。医療・教育・福祉・UXなど異なる専門チームでも同じ図を基点として連携でき、打ち合わせや記録作成の負担を抑えられます。アクセシビリティ対応により多様な利用環境で運用しやすく、データは端末内保存を基本としてエクスポートにも対応するため、プライバシーへの配慮と再利用性を両立できます。